加島祥造著
久しぶりに単行本サイズの本を読んで見た。人間の誰しもが持っている、食欲・性欲・自己保護欲・種族保存欲みんな人間の頭の中にあって、そこから人は求めて動くーそれを否定するんじゃないんだ、いや肯定するんだ。五欲を去れだの煩悩を捨てろだのとあんなこと嘘っぱちだ、誰にも出来ない事だ。「自分全体」の求めることはとても大切だ。ところが「頭」だけで求めると、求めすぎる。「体」が求める事を「頭」は押しのけて別の物を求めるんだ。しまいに余計な別のものまで求めるんだ。じつはそれだけのことなんです。僕が「求めない」というのは求めないですむことは求めないってことなんだ。すると体にある命が動きだす。それは喜びにつながっている。だけどね意外とむずかしんだ、だって私たちは体のの願いを頭で無視するからね。ほどよいところでとめるーそれがポイントだ。でもそれができなければもう求めないと自分に言ってみるだけでいい。すると、それだけでいい気分になるとわかるよ。あらゆる生物は求めている。命全体で求めている.一茎の草でもね。でも、花を咲かせたあとは静かに次の変化を待つ。そんな草花を少しは見習いたいと,そう思うのです。という私はここのくだりが非常に印象に残ったので書いてみた、良寛は人間はこうあるべきであるべきの考えが強い気がするが、この「求めない」という本を読んでみて。良寛は「貧を重んじて欲から離れるのだ」の考えであったが、それは現代社会ではむずかしいことだが加島祥造の求めないは人の持つ五欲を否定するのでなくうまく自分でコントロールしながら生きなさいと言われているようでなにか気が楽になった気がする。書かれてる文章は短編で書かれており久しぶりに良い本にめぐり合えた。おすすめの本である。
Comments