良寛は、無頓着な性格で、物に執着するということがなかった。良寛は煙草が大の好物であったが、その煙草入れも、いくら人から貰っても、すぐに失ってしまった。ある人が心配して六尺もある紐で煙草入れを帯に結んでやった。そんなある日、一人の老婆が、良寛に煙草を勧めると、良寛は、「煙草ならあとから来る」と言った。良寛の言葉に解しかねた老婆が、その後ろを見ると、良寛は、煙草入れを地面にひきずりながら歩いて行ったそうである。一尺は約30cmなので良寛は180cmの紐の付いた煙草入れを引きずって歩いていた事になる。逆に歩くのに邪魔だったのではなかろうか?いつもなら帯にしまっておき、煙草入れを落としても紐と帯が結ばれているから失くすことはなかったはずなので誇張した話にすり替わったのだろうと思う。良寛逸話の中より
「煙草なら後から来る」
更新日:2020年5月16日
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