フランスの作家ポール・バレリーは、「ありとあらゆる本を読みました。しかし私は悲しい思いのままなのです」と述べています。この言葉は良寛にも通じるものがあると思います。本を読むのは、何か目的があるからでしょう。「仕事に必要な知識を得たい」話のネタを仕入れたい」ストーリーを楽しみたい」といった実用的も、もちろんあります。しかし、もっと強いのは知りたいという願いではないでしょうか。「幸せになるにはどうすればいいか知りたい」自分らしく生きる方法を知りたい」「自分とは何かを理解したい」悟りに至るヒントを得たい」といった目的です。良寛もバレリーもたくさん本を読みました。「しかし二人とも私の心はみたされませんでした」と言っています。良寛は続けて、ありのままの心を知ることのほうがもっと大切だ」と述べていました。例えば学生ならいい就職をするために、もっとも大切なことは、「社会に出て何をしたいのか」という自分自身の気持ちを明確にすることでしょう。本から知識を得て有名な会社に就職できたとしても、自分のやりたいことを実現できなかったら,後悔することになるでしょう。
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