「私心が判断を誤らせる」

人は、自分の考えに似ている人の言うことは、間違っていても正しいと信じます。自分の考えと異なっている人の言ってることは、正しくても間違っていると思い込みます。紀元前四世紀のギリシャの政治家デモステネスは、[人は信じたいことを信じる。信じたくないものは信じないと言う言葉を残しました。その一例が、十六世紀～十七世紀のイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが証明した[地動説」です。ガリレイがいくら科学的根拠をあげて[地球は太陽のまわりを回っていると説明しても、当時のカトリック教会は信じようとしませんでした。理性的に考えれば、ガリレイの言う方が正しいと分かったはずです。しかし、カトリック教会は「地球が太陽のまわりを回っていることなんて信じたくないという気持が強かったのです。ですからガリレイの言うことが真実だと考えられても認めず、「ガリレイの説は間違っている」と主張しました。そして自分の考えと同じく[太陽が地球のまわりを回っている」と語る人の言葉を信じようとしました。デモステネスが言う通り[人は信じたいことを信じる。信じたくないものは信じない」ということでしょう。結果客観的に見て自分で判断さえ間違わなければいいのです。