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「義を目にしながら見ないふりをしていないか」

  • 執筆者の写真: 橋元雄二
    橋元雄二
  • 2021年9月19日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年2月8日


何と世間の人の利己的で薄情な事よ。これを思えば嘆げわしくなる。正しく義にかなった道を踏み行なわなければならない時に、かえって身を避けてかくれ、利益になると見ると先を争って走り回る。世の中はすべてが険しくとげとげしくなり、誰も親孝行したり、清貧に生きようと思う人はいなくなった。せちがらいのは、良寛の生きた時代でも同じだった。「論語」にも「義をみてなさざるは勇なきなり」とある。こうするのが人間として正しい道だと知っていながら、自分の利益や保身のために、あえてなすべきことをしないでこそこそと隠れる。見て見ないふりをする。勇気がないというよりも、卑怯なだ態度だ。しかし、自分に利あればと見れば、遠くから先を争って立ち回る人間は多い。とりわけ、友人が窮地に立たされているときに、声をかけて慰めたり励ましたりするだけでも解決に有利だと分かっていても、しらんぷりを決める。劣悪なのは、人知れずその裏で足を引っ張っている場合もあることだ。



 
 
 

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