正しい生き方を求める人たちに言います。軽い羽毛ガフワフワと西へ東へ飛んでいくような生き方をしてはいけません。作家の有島武郎は、「こうと決めたら、どこまでもそれを貫いていけばいい」ということを述べています。たとえば「小説家になろう」と決心します。しかし誰かに「小説家になるなんてつまらないよ。もっとお金儲けのできる商売があるよ」と聞かされると、とたんに決心が揺らいで「お金儲けできる商売がいいのかな」などと考え出したとします。また誰かに、「あなたには小説家になる才能なんてない」と言われると、たちまち自信を失って、「やっぱり小説家になることなんてあきらめよう」と考え直したとします。有島武郎は、「そのように信念の定まらない、フワフワした生き方をしては何も成し遂げることはできない」と言いたかったのだと思います。良寛も冒頭の言葉のようなことを述べています。つまり羽毛のように、フワフワと信念の定まらない生き方ではダメですよと意味しているのです。
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