『わしの食事はすませた。』
- 橋元雄二

- 2 日前
- 読了時間: 1分

ある日、五合庵に客が会った。良寛は「夕飯はとろろのご馳走をしましょう」と言って庵を出て行った。しかし良寛は一向に帰って来ない。客が手持ち無沙汰に待つていると、やっと夜半になって帰って来た。そして満足そうな顔で、「あなたはまだおられましたか。わしはつくね芋をもらいに山をおりましたが、ちょうど夕飯に招く者がおりましたので、ご馳走になって来ました。」と言うだけでぬけぬけと客の夕飯のとろろ飯の事は何も触れなかった。
仕方なく、呼ばれた客は空腹のままで帰って行った。
どうも良寛は人との約束などすぐに忘れてしまう傾向があったようだ、昔の事で見聞きした記憶力には優れている良寛だったのだが度々このように忘れることが多々あったようだ。






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