ある日、良寛は、村内のある家から読経を頼まれて出かけて行った。
いつもは仏壇の前に置かれている木魚が、その日は何故か離れたところにあつた。
主人は急いで仏壇に戻そうとしたが、良寛はまったく気にもせずに木魚を叩きなが
ら読経を始めていた。主人は仕方なく、その日は、そのままにして過ごした。
後日、また良寛を読経に呼んだ主人は、試しに木魚を縁側の端に置いてみた。すると
良寛は、すぐに縁側に行き、その木魚を叩きながらお経を読んだという。良寛は人の
家に入って食事するにも別に席順も気にしないほどの人でしたから、木魚がどこにあ
ろうが構わなかったようです。
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