良寛は長男で出家した時に出雲崎の名主の橘屋を継いだのは弟の
由之でした。由之は傲慢で思い上がったところがあり、その為に周囲とのトラブルも少なくなかったようです。良寛はそんな由之に「性格を改めて、もっと謙虚な気持を持つように」と手紙を出しています。しかし、由之は性格の欠点のために家を潰してしまいました。「いくら注意しても人の言う事を聞かないからこんな事になった、だから言ったじゃないか。」と叱りつける人もいるのではないでしょうか。しかし、良寛は違いました。家をつぶしてしまった由之に、身をいたわるような内容の手紙を送りましたその手紙の内容は「雪が降り季節は寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。」一言も弟、由之を叱る言葉は書かなかったのです。ここに良寛のおおきなやさしさがあるように思います。だからこそ良寛は大きな信望を集められたのでしょう。現代の職場に置き換えてみましょう。上司の注意を聞かずに仕事で失敗した部下を「お前みたいな愚かな者は見た事がない。」と叱ったのでは、その上司は部下からの信望は集められないでしょう。そこで叱りたくなる気持をグッと迎え、「まあそう気を落とすな」とやさしい言葉で慰めることのできる上司が信望を集められると思います。これは子育てでも通じるものがあるように思う欠点を叱るより良いところを褒めて伸ばして上げることも同じに思える。
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