仏教に(少欲知足)という言葉があります。「欲望を少なくして、今あるものに満足する」という意味です。「もっとお金がほしい。もっと贅沢品を手に入れたい」など欲望にとらわれるのは危ない、と言う考え方です。「もっと」「もっと」と望むと、それが満たされなければ不満になり、満たさなければさらに欲望に駆り立てられてしまいます。ですから、「欲をかくのではなく、今あるものに満足することを心がける。そうしてこそ心安らかに生きていける」というおしえです。それがなかなかできないのが人間です。良寛は一人で暮らしていました。生活はとても質素で、国上山の中腹にあった良寛が晩年まで過ごした小さな五合庵(写真)にはぜいたく品などひとつもありませんでした。そんな暮らしであっても良寛は楽しんでいたようです。「そのような質素な生活であってもゆっくり足を伸ばして,くつろげる広さはあるのです。お金も、ぜいたく品もありませんが、十分に幸せではありませんか」と良寛は述べて「少欲知足」を貫いて生活していたのです。
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