饒舌で多弁な人が、立派な道理で説けば説くほど、それは空疎に聞こえるものだ。良寛は、そのあたりの事情をイヤというほどわきまえていた。良寛ほど「言行一致」ということを考え抜いた人はいない。考えだけでなく、まず、自らが実践していたのである。 「すべては言葉は惜しみ、惜しみ言うべしというのが、良寛の「戒語」の基本なのである。出まかせの多弁は他人に迷惑をかける。その前に、むしろ自分自身が損なわれていると知らなければならない、と思っていたからだ。良寛に接する人は誰でも、静かな落ち着きと優美な物腰、寛容な態度にふれて、えを言われぬ「快さ」を感じたのである。良寛のすがすがしさは、相手にいやな反感、コンプレックスを意識させるというわけでもない。謙虚で初々しく、むしろ羞恥心をただよわせたうな、安心感がある。この人といるだけで心の底から安堵できるという思いが立ち昇る。これこそ「人間が生きるうえで大事な快さ」なのである。軍事費の予算拡大を考えるより、国民の生活の向上を考えてほしいと願うのは私だけであろうか?
「饒舌で多弁な人が、人格者であることはほとんどない。」
更新日:2022年12月12日
その通りですね。さて、自民党総裁選に立候補した4人。誰が信用できるのでしょうか。菅首相は饒舌で多弁ではないようですが、説明不足のまま退陣することになりましたね。この1年を振り返ると、むなしくなります。遊歩