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執筆者の写真橋元雄二

『亀田鵬斎と良寛』

更新日:2023年8月23日



古典落語の中に「鵬斎とおでんや」という落語がある。鵬斎の書は良寛の書法の指導により、江戸の人々から書で確固たる人気の地位を確立していました。江戸の亀田鵬斎は越後の出雲崎の旅館に滞在していた時期があり、その時に良寛が宿を訪れ、鵬斎の揮毫の誤りを指摘した。鵬斎はその際に良寛より書法を学び、おおいに参考になったという。江戸に戻った、鵬斎の書に江戸では出所は不明だが、江戸の川柳で鵬斎は越後帰りで字がくねりと民衆に詠まれている。良寛の書はそれだけ独特な書法であった亀田鵬斎の所へ良寛が訪ねた時に鵬斎がおらず良寛が黙って部屋に上がると机の上に鵬斎の作りかけの詩稿があった。見ると、最後の一句が出来ず大分苦心してる様子がうかがえた。良寛はすぐに筆を執り、その一句を補って帰った.鵬斎は道みち末句を考えながら、ようやく一句を得た。そして戻ってみると、既に詩稿は出来上がっていた。良寛の筆跡であった。その結句のすばらしさに驚き、それ以後鵬斎は益々良寛を敬い、親しく交わるのようになった.また鵬斎は良寛の住む五合庵から江戸に帰る際に鵬斎に「尋ねた「あなたは唐辛子が好きか?」と尋ねた,すると鵬斎は「好きですが」と答えると、良寛は一紙を広げ、数行の字を書いて鵬斎に渡した、そこには「なんばん・なんばん」と書かれておりこれには鵬斎は呆れるばかりであったそうである。鵬斎は心根の優しい方で浅間山の噴火の際は自分の書を全部売り払い噴火の被害を受けた方々に寄付されたそうである。

機会があれば古典落語の鵬斎とおでんや』を聞かれて下さい。


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