ブッダの「反応しない練習」草薙龍瞬著:の中より
- 橋元雄二
- 2019年10月28日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年10月30日

「無駄な感情を防ぐ」上で、一番重要なのは最初から「反応しない。」という前提に立っことです。
「反応しない達人であるブッダにはこんなエピソードがあります。ブッダは、その名の通り「目覚めた人」として、当時のインドで日増しに有名になっていきました。何百人もの弟子を抱える高名なバラモンでさえ、ブッダの弟子になる者が出てきました。インドでは、今も昔も、カーストが絶対的な意味を持っています。ブッダのカーストは、バラモン(司祭階級)より下の「クシャトリ」(武士階級)でした。
そのブッダに、最上位のカーストのバラモンが弟子入りするというのは、当時はかなりショッキングな事件だったのです。ある時、一人のバラモンが、自分の同じ姓を持つバラモンがブッダの弟子になったことを耳にしました。プライドの高いバラモンには、これが許せませんでした。ものすごい剣幕でブッダのところに押しかけ、弟子や訪問者達が大勢いる目の前で、言葉のかぎりを尽くして、誹謗中傷
を浴びせました。辺りには並ならぬ緊迫が走りました。ところがブッダはこう返したのです。
「バラモンよ、あなたが自宅でふるまった、ご馳走を客人が食べなかったら、それは誰のものになるのか?質問されれば、答えざるを得ません。「それは自分で食べるだろう」とバラモンは答えました。
するとブッダはこう言ったのです。もし罵る者に罵りを,怒る者に怒りを、言い争う者に言い争いを返したならば、その人は相手からの食事を受け取り、同じものを食べたことになる。私はあなたが差し出すものを受け取らない。あなたの言葉はあなただけのものになる。そのまま持って帰るがよい。と言い放ったそうです。ここで「食事」とはバラモンがぶっけてきた非難の言葉です。もし相手の言葉に反応して言い返せば、自分も同じ反応したら※食べたことに※なってしまう。だからブッダは「受け取らない」つまり反応しない」というのです。ブッダは、普通の人なら腹を立てるようなことを言われても、「無反応」で返しました。というのも「苦しみのない心」を人生の目的とする以上、「反応して心を乱されることは無意味である」と、はっきり知っていたからです。どのようなときも決して反応せず、ただ相手を見据えて、理解するのみの立場に徹していたのです。これがブッダの合理的態度から学べることはブッダの「反応しないことが最高の勝利である」という理解です。この考え方は私が読んだ良寛の「貧を重んじる」や「心自由に生きる」、加島祥造氏の「求めない」の考え方に相通ずるものがあるし、現代社会や会社組織の中でどう生きていくかを教えてくれる一冊でした。
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