天上大風の凧
- 橋元雄二
- 2020年1月31日
- 読了時間: 1分

良寛が燕{現新潟県燕市)の宿場を托鉢された時のことである。一枚の紙を持っ た子供が、良寛の傍に来て、「良寛様、お願いだから、これに字を書いて送れ」と
頼んだ。そこで和尚が、「何につかうのだ」と訪ねるとその子供は「凧を作って遊ぶ んだよ。だから、いい風が吹くように天上大風と書いておくれ」と言う。和尚はすぐ に「天上大風」の四字を大書して与えた。この書は、良寛の書いた書の中でもで も傑作であり、鈴木文台の由来書(1852年)と共に表装され今に残っている。子 供には優しい良寛ならではのお話である。この天上大風は良寛の書の中でも後 世に残る有名な書となった。
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