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無理強いの書

  • 執筆者の写真: 橋元雄二
    橋元雄二
  • 2020年1月22日
  • 読了時間: 1分

更新日:2020年1月23日







良寛にはむら子という妹がいた、妹は寺泊の外山家に嫁いだ。托鉢で良寛が外山家に寄った時で主人も良寛の書を欲しがっていたが、まだ果たせずにいた。ちょうど雨が降っていたので、「もうよそへ托鉢も出来まい、今日念願の書を」と考え、座敷へ通して色々もてなした。その後筆と硯,そして白扇一箱用意し、四方の戸を閉ざし、「書かなければ外には出しませぬ」と言う良寛は妹の嫁ぎ先であるため仕方なく筆を執り,一箱の白扇全てに、雨の降る日は哀れなり良寛坊と書いたという。この扇面は今に遺る。又寺泊の豪商の伊勢安の主人も良寛の書が欲しくて、やはり良寛を家に入れて監禁し「揮毫せねば帰しません」と迫った、仕方なく、筆を執り即座に いやじゃ いやじゃ いやじゃ いやじゃ と立派な金屏風に書き連ね、唖然とする家人を尻目に、さっさと帰って行った良寛は無理に書かされることを特に嫌い、自分で書きたくなった時以外はほとんど書かなかったそうである。

 
 
 

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