「理想的な心のあり方を何かにたとえれば、丸い月のようでありたいものです。」冒頭の言葉は良寛が知り合いの家に招かれ,泊った時に書いたものだと言われています。食事の際に使われた鍋の木蓋をじっと見ていた良寛は、ふと思いついて木蓋に筆と墨で書をかきました。その書が「心月輪」です。その書を現代語に訳したのが冒頭の言葉です「心月輪」は仏教で使われてきた言葉です。仏教では古くから、月が心のたとえとして用いられてきました。たとえば「仏の教えに熱心に従う善人は月の清らかな光のように、心も清らかだ」といった言い方をします。また「悟りを得た人の心は満月のように欠けたところがない。つまり欠点がない」という言い方をします。また、月の光が世界を照らすように,滋愛の心で、苦しんでる人を明るくするようにしなければならない」という言い方をします。このかいた書は良寛自信がそんなような人になりたいというメッセージが込められているとも考えられます。あるいは、「皆さんも月のような心をもつことを理想にして生きてください。」と、泊めてもらった家の人たちに述べたかったのかも知れません。現代でも新型コロナで大変な時期に現代社会の人間にも通じる戒めの言葉なのかも知れません。
良寛の理想「心月輪」とは
更新日:2020年11月16日
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