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執筆者の写真橋元雄二

「新潟県の弥彦神社は万葉集にも詠まれている」

更新日:12月11日





新潟県弥彦村(やひこむら)の弥彦神社(やひこじんじゃ)には万葉集には弥彦神社を詠んだ歌があります。弥彦神社には、万葉歌碑が設けられており、現在、弥彦は「やひこ」と読みますが、歌では伊夜彦「いやひこ」と呼ばれています。弥彦神社の所在地、弥彦村は新潟県のほぼ中央にあり、佐渡ヶ島の対岸辺りに位置します。弥彦村は日本海には接していませんが、村の西側にある弥彦山からは日本海、佐渡ヶ島が望めます。弥彦神社は、弥彦山の麓に鎮座し越後一ノ宮として広く信仰を集めていたそうで、弥彦山全体を神域としています。現在、弥彦村は観光スポットとしても大勢の人が参っております。弥彦山近郊の小・中学校の遠足ではこの山に登ります。スカイラインもあるので車で出かける事も出来ます。

伊夜彦(いやひこ) 神の麓(ふもと)に 今日(けふ)らもか 鹿(しか)の伏(ふ)すらむ 皮服(かはごろも)着て 角(つの)附(つ)きながら

(作者) 越中(こしのみちのなか)の国の歌。(大意) 伊夜彦の神山の麓に、今日も鹿が伏しているだろうか。毛皮をつけ、角をつけたままで。 (注釈) 「伊夜彦」は弥彦(やひこ)山の事です。


彦(いやひこ) おのれ神(かむ)さび 青雲の

     たなびく日すら 小雨(こさめ)そほ降る  

                       巻16-3883 作者未詳


(大意)弥彦のお山 このお山は おのずと神々しく 青雲の美しく棚引く

   こんな晴れた日でさえ、小雨を、ぱらぱらと降らせている  


古代では山そのものを神と崇めていました。

晴れた日でさえ、田畑に恵みの雨を降らせてくれる山神に対して畏敬と感謝の

気持を込めて詠われた古謡と思われる一首です。


彌彦神社の御創建について、社伝によると天香山命は第六代孝安天皇元年(西暦紀元前392年)二月二日に越の国開拓の神業を終えられ神去り坐して神劒峰(弥彦山)に葬られ、御子である第一嗣・天五田根命が廟社を築き奉祀した事に始まります。下って第十代崇神天皇の御代(御在位:紀元前97~30年)に、第六嗣(天香山命より七代)建諸隅命が勅を奉じて社殿を造営して以来、御歴代の天皇の勅による社殿修造がなされ、第四十三代元明天皇和銅四年(711)には勅により神域の拡張と神戸及び神領の境を定めたと伝えられております。

よって彌彦神社は御創建から二千四百年以上の歴史を有する神社です。 

新潟に来られたらぜひ、弥彦神社の境内にある万葉集の歌碑を見つけてください。弥彦山頂からは日本海や反対側には蒲原平野を望む事ができます。


弥彦山からは良寛さまの住んだ五合庵のある国上山も見ることが出来ます。


     

          

             (良寛の住んでいた五合庵)


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