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執筆者の写真橋元雄二

『とりこ信仰』

更新日:5月31日




『とりこ』という信仰が鎌倉時代より日本全国にありました。これは体が弱かったり、栄養不足で育たない子供を、神主、僧侶,丈夫に育つ家の親などに拾ってもらって,産みの親が改めてもらい受けたりします。さらに神仏の養子にすることもあります。特にお地蔵さんや鬼子母神が主体です。子供を神仏の戸籍に入れて,祈祷し、学校を卒業までという期限を切つて契約します。その間は仏の子ですから、「どんなことがあっても、この子の頭を叩かないようにしなさい。そうすれば丈夫に育つでしょう」と住職がが約束させ、その旨の契約書を作ります。期限が来たら「戻し」という契約の解除の手続きをします。たとえ子供が悪さをしたとしても、人間たる親が仏の子を叩いたら筋違いです。そこに、この信仰さの面白さ、大きさがあります。この「とりこ」信仰が特に強く残っているのが、越後(新潟)と言われてます。良寛の子ども好きの背景にこうした信仰風土があることが、この「とりこ」信仰を根付かせたのだろう。

現在社会にもこの助け合いの信仰が残っていたならば幼児・児童虐待の悲惨な事件は起こらず、もっと少なくなっていたのかも知れない。







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