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執筆者の写真橋元雄二

『盗人に取り残されし窓の月』

更新日:5月13日






ある11月の寒い夜に、泥棒が国上山の五合庵に入った。しかし庵の中には盗むものがなかった。そこで泥棒は良寛が寝ている布団を盗もうとした。良寛は寝たふりをして、自分から寝がえりを打ち、布団を取りやすいようにしてあげ、わざと盗ませたという。翌日の朝鼻水を垂らしながら実家の橘屋に寄り、家の者が「どうなされました大丈夫ですか?と問うと昨夜、泥棒に布団を盗まれたので布団を頂けないかと実家に寄ったという。良寛の兄弟達はあきれていたという。

その時に詠んだ俳句が『盗人に取り残されし窓の月』(五合庵の布団は盗まれたがさすがに月だけは泥棒も盗むことが出来なかつた)という皮肉めいた俳句である。



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