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『親孝行の絵』

  • 執筆者の写真: 橋元雄二
    橋元雄二
  • 2023年11月3日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年6月14日





良寛は(現、三島郡和島村)の庄屋・山本善兵衛と親しくしていた。同家は島崎から与板へ行く道筋にあったので、良寛はしばしば立ち寄った。ある時同家に祝い事があって、良寛も出かけて行くと、ご馳走を出された。しかし、「わしは雑炊の方が好きだ」と言って雑炊を出させた。ご馳走は辞退したが、出された酒は独酌で、ゆうゆうと飲んだ。気持ちよく酔った良寛は、その席で自画像を描いた。それは托鉢姿で、片方の足には草履を、もう片方には下駄をはいていた。これを覗き込んだ女中が、「良寛様、このお坊さん片ちんばですね」と言うと「いいやこれは親孝行の絵だよ。父親が今日は晴れるから草履で行けと言い、母親が雨になるから下駄で行きなさいと言った時、両親の意見に素直に従った姿だよ」と言ったという。

 
 
 

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